APFとは、エアコンの省エネ性能を表すJIS規格です。
省エネルギー化の流れがあり、トップランナー制度が施工されたことで省エネの目標値達成を義務付けられました。
省エネを意識するのに大切なAPFについて説明いたします。
APF – 通年エネルギー消費効率(Annual Performance Factor)
APFとは『Annual Performance Factor』の略で通年エネルギー消費効率という意味です。
似た意味を持つCOP(冷暖房平均エネルギー消費効率)は1kw辺り、どれだけ冷暖房効果が得られるかであり
温度・環境が日々変わる場合COPよりAPFが省エネ効果を確認するのに適切です。
2006年以前はCOPがエアコンカタログに掲載され、2006年以降はAPFが掲載されています。
JIS B8616に準拠し、APFはカタログ・製品パッケージ(取扱説明書)に表示が義務づけられています。
APF表示の対象
定格冷房能力が28kw以下の空冷式冷房専用形と空冷式冷房・暖房兼用(ヒートポンプ)形にAPFが表示されています。
注)冷房能力が28kwを超えるのは特注品が多く、仕様の統一性がなくJIS規格上も対象としていない。
- 店舗・オフィス用エアコン
- ビル用マルチエアコン
- 設備用エアコン
対象外の機種
特殊な用途の機種や評価方法が確立していない機種はAPF対象外です。
- 機械機器および食料品向け、車両空調などの特殊機種
- オールフレッシュ形
- 冷暖同時運転タイプ
- 電算機室用
- 水冷式
- 蓄熱槽をもつもの
APFの計算式
計算式 APF=(1年間で必要な冷暖房能力の総和)÷(期間消費電力量)
三菱電機のビル用マルチエアコン シティマルチS PUSY-P80SMH1で計算すると
10210.914(冷暖房能力の総和 kWh) ÷ 2001.876(消費電力量 kWh) = 5.1(APF)
※地域 東京 建物 店舗で計算
APF計算ツールもございます。
JIS B8616:2015に基づき、業務用エアコンの性能を入力するとAPFを算出いただけます。
通年エネルギー消費効率(APF)計算ツール
算出設定条件
店舗・オフィス用エアコン | ビル用マルチエアコン、設備用エアコン | |
---|---|---|
規格 | JRA4048:2006※ | JRA4048:2006※ |
地区 | 東京 | 東京 |
建物用途 | 戸建て店舗 | 事務所 |
使用期間:冷房 | 5月23日~10月10日 | 4月16日~11月8日 |
使用期間:暖房 | 11月21日~4月11日 | 12月14日~3月23日 |
使用日数 | 週7日 | 週6日 |
使用時間 | 8:00~21:00 | 8:00~20:00 |
※JRA4048:2006は、JIS B8616:2006を実施するために日本冷凍空調工業会が作成した規格です。
引用:日本冷凍空調工業会
APF値で省エネ性をチェック
省エネのエアコンを選びたい・・・そんな時は使用用途に合ったエアコンの中でAPF値の高い物を選びましょう。
例えばAPF6.5のエアコンはAPF5.5のエアコンと比べると5.5/6.5の消費電力量となります。
また若干ではありますが同じエアコンの能力でも単相タイプより三相タイプのほうがAPFは高いです。
最後に
細かい話は割愛しますが、APFは小型のエアコンであればあるほど高いです。
もしエアコンをフロアに設置する場合、大型を1台設置するより2台に分けて設置したほうが電気代はお得です。
エアコン設置コストと相談して、考えてみましょう。