トップランナー基準について

🧊エアコン

今回はトップランナー基準の概要から、具体的な目標数値について説明いたします。
業務用エアコンと家庭エアコンで目標数値に違いがあります。

基準エネルギー消費効率に関しても業務用は日本工業規格B8616(2006)に規定する方法により算出した数値
家庭用に関してはJIS C 9612(2005)で算出します。

トップランナー基準とは

現在商品化されている機器のエネルギー効率が優れている物を基準にして
将来生産する機器を基準以上にする制度で、対象機器のエネルギー消費効率の改善が目的です。

省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)内の【機械器具等に係る措置】の項目で説明されています。

トップランナー基準に選ばれる機器は3点を満たす物が対象

  • ①我が国において大量に使用される機械器具であること
  • ②その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であること
  • ③その機械器具に係るエネルギー消費効率の向上を図ることが特に必要なものであること(効率改善余地等があるもの)

エアコンにおけるトップランナー基準

APF(通年エネルギー消費効率)の数値が規定された日付以降の出荷分より
上回ることが義務付けられています。

製造または輸入の事業を行うものが対象。
生産量 or 輸入量が500台以上(国内向け出荷物に限る。)

時期

1999年度4月からエアコンディショナーが対象になりました。
業務用エアコンに関しては2015年度以降のトップランナー基準
家庭用エアコンに関しては2010度以降もしくは2012年度以降のトップランナー基準になります。

目標基準値について

エアコンによって基準値が異なります。

概要

業務用エアコントップランナー
●2015年度以降の各年度:④の目標基準値を遵守

◆過去の基準
●2007冷凍年度以降の各年度※3:①の目標基準値を遵守

家庭用エアコントップランナー
直吹き形で壁掛け形のもの(マルチエアコンの個別運転タイプは除く)
●2010年度以降の各年度:②及び③の区分E ~Gに該当する目標基準値を遵守

◆過去の基準
●冷房能 力が4.0kw以下のものについては、2004冷凍年度(2003年10月1日~ 2004年9月30日までの期間)以降の各年度※1:①の目標基準値を遵守
●冷房能力が4.0kw超のものについては、2007冷凍年度(2006年10月1日~ 2007年9月30日までの期間)以降の各年度※1:①の目標基準値を遵守

その他のもの
● 2012年度以降の各年度:③の区分H~Mに該当する目標基準値を遵守

◆過去の基準
●2007冷凍年度以降の各年度※2:①の目標基準値を遵守

目標基準値一覧

4種類の基準値があります。

  • ①目標年度が2007冷凍年度以降の各年度(一部については、2004冷凍年度以降の各年度)のもの
  • ②目標年度が2010年度以降の各年度のもの
  • ③目標年度が2012年度以降の各年度(区分E~Gにおいては2010年度以降の各年度)のもの
  • ④目標年度が2015年度以降の各年度のもの【業務用の基準】
④目標年度が2015年度以降の各年度のもの【業務用の基準】

室内機の種類冷房能力基準エネルギー消費効率又はその算定式
天井四方向カセット形3.6kW未満E = 6.0
3.6kW以上10.0kW未満E = 6.0-0.083×(A-3.6)
10.0kW以上20.0kW未満E = 6.0-0.12×(A-10)
20.0kW以上28.0kW以下E = 5.1-0.060×(A-20)
天井四方向カセット形以外3.6kW未満E = 5.1
3.6kW以上10.0kW未満E = 5.1-0.083×(A-3.6)
10.0kW以上20.0kW未満E = 5.1-0.10×(A-10)
20.0kW以上28.0kW以下E = 4.3-0.050×(A-20)
ビルマルチエアコン10.0kW未満E = 5.7
10.0kW以上20.0kW未満E = 5.7-0.11×(A-10)
20.0kW以上40.0kW未満E = 5.7-0.065×(A-20)
40.0kW以上50.4kW以下E = 4.8-0.040×(A-40)
床置き直吹き形20kW未満E = 4.9
20.0kW以上28.0kW以下E = 4.9
床置きダクト形20kW未満E = 4.7
20.0kW以上28.0kW以下E = 4.7

E:基準エネルギー消費効率(単位 通年エネルギー消費効率)
A:冷房能力(単位 キロワット)

③目標年度が2012年度以降の各年度(区分E~Gにおいては2010年度以降の各年度)のもの
【家庭用であって②以外のもの】

室内機の種類冷房能力区分名基準エネルギー消費効率(APF)
壁掛けエアコン※14.0kW超5.0kW以下E5.5
5.0kW超6.3kW以下F5
6.3kW超28.0kW以下G4.5
壁掛けエアコン以外※13.2kW以下H5.2
3.2kW超4.0kW以下I4.8
4.0kW超28.0kW以下J4.3
個別運転マルチエアコン4.0kW以下K5.4
4.0kW超7.1kW以下L5.4
7.1kW超28.0kW以下M5.4

②目標年度が2010年度以降の各年度のもの
【家庭用、冷房能力4.0kW以下であって直吹き形で壁掛け形のもの(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別制御するものを除く。)】

冷房能力室内機の寸法タイプ基準エネルギー消費効率(APF)
3.2kW以下寸法規定タイプ5.8
寸法フリータイプ6.6
3.2kW超4.0kW以下寸法規定タイプ4.9
寸法フリータイプ6

備考
「室内機の寸法タイプ」とは、室内機の横幅寸法800ミリメートル以下かつ高さ295ミリメートル以下の機種を寸法規定タイプとし、それ以外を寸法フリータイプとする。

①目標年度が2007冷凍年度以降の各年度(一部については、2004冷凍年度以降の各年度)のもの

室内機の種類冷房能力基準エネルギー消費効率(COP)
壁掛けエアコン※12.5kW以下5.27
2.5kW超3.2kW以下4.9
3.2kW超4.0kW以下3.65
4.0kW超7.1kW以下3.17
7.1kW超28.0kW以下3.1
壁掛けエアコン以外※12.5kW以下3.96
2.5kW超3.2kW以下3.96
3.2kW超4.0kW以下3.2
4.0kW超7.1kW以下3.12
7.1kW超28.0kW以下3.06
ダクト接続エアコン※1※24.0kW以下3.02
4.0kW超7.1kW以下3.02
7.1kW超28.0kW以下3.02
個別運転マルチエアコン4.0kW以下4.12
4.0kW超7.1kW以下3.23
7.1kW超28.0kW以下3.07

※1個別制御できるマルチエアコンを除く
※2吹き出し口にダクトを接続するもの
過去の基準

引用:経済産業省・資源エネルギー庁

エアコン含むその他の対象品目

以下の28機種が対象

  • 乗用自動車
  • 貨物自動車
  • 石油温水機器
  • ルーティング機器
  • エアコンディショナー
  • ビデオテープレコーダー
  • 電気便座
  • スイッチング機器
  • 照明器具(蛍光灯器具・電球形蛍光ランプ)
  • 電気冷蔵庫
  • 自動販売機
  • 複合機
  • 複写機
  • ストーブ
  • ジャー炊飯器
  • ヒートポンプ給湯器
  • 電子計算機
  • ガス調理機器
  • 電子レンジ
  • 三相誘導電動機
  • 磁気ディスク装置
  • ガス温水機器
  • DVDレコーダー
  • 電球形LEDランプ

まとめ

エアコンの形状(個別運転タイプかどうか)や業務用・家庭用で数値が違います。気を付けましょう。
これまでの実績で言えば、効率が15.6%改善されているので環境にやさしい制度となっています。
業務用で言えば今は④2015年度数値が最新数値ですが、いずれ更新されることでしょう。

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