エアコン専門店がひいき抜きでお伝えします。メリットはご存知かと思うのでおさらい程度に簡単に。販売側が書きにくいデメリットについても詳しくお話します。
エアコン加湿機能付きのメリット
無水で加湿できる。
室外機から水蒸気を取り込むので、水を別途用意する必要はありません。
水を使って脱臭できる『水de脱臭』
うるる加湿で発生させた水分子を室内に放ち、におい分子が浮き出した所除湿し、においを回収します。
熱交換器を水で洗浄『水内部クリーン』
加湿機能の水で汚れを洗浄。ストリーマ照射や送風乾燥・加熱乾燥でエアコンをきれいに。
エアコン加湿機能付きのデメリット
電気代が高い
もし電気代を気にされるなら加湿器は別で買ったほうが良いです。
各クラスの加湿時消費電力(加湿運転:設定温度「連続」、風量「5」時。):ダイキン公式より
能力 | 消費電力 | 加湿量 |
9.0kWクラス | 1.41kWh | 850ml/h |
4.0kW~8.0kW(200V) | 1.20kWh | 750ml/h |
4.0kW(100V) | 0.90kWh | 600ml/h |
3.6kWクラス | 0.85kWh | 550ml/h |
2.8kWクラス | 0.80kWh | 500ml/h |
2.2kW・2.5kWクラス | 0.75kWh | 450ml/h |
加湿器のタイプによって消費電力は変わりますが【450ml/h】加湿できる加湿器は0.07~0.03kWhで動く物もあります。(MZH-A552-H)
電気代が高い加湿器モデルでも【450ml/h】加湿できる消費電力は0.4kWhで動きます。(KA-Y45)
ダイキンと比べると電気代が高いモデルで47%消費電力少なく、低いモデルだと90%程度電気代が少なくなります。
加湿機能が低い
ダイキン公式に書いてありますが、たっぷりうるおいを再現するには厳しい制約があります。
- 外気湿度が20%低下すると加湿量は約20%低下します。
- 保湿用配管長さが2m増えるごとに加湿量は約10%低下。
と制約が多く、更に公式の計算条件は冬確実に加湿量がダウンする代物なんです。
ダイキン公式に書いてある保湿量は外気温度7℃DB、6℃WBと【乾球温度計】【湿球温度計】で表していてわかりにくいですがこの条件で計算すると外気の湿度は87%となります。(冬に87%も湿度いきません)
2019年の東京平均湿度(1)を確認すると
12月:66% 1月:51% 2月:59% 3月:60%
ダイキンの87%と比較し2019年湿度高い月で平均湿度66%なので冬期間は能力20%減と考えた方が良さそうです。7月の夏場でようやく平均湿度89%に。(冬場の湿度はあくまで平均湿度なので、最低湿度は更に乾く)
各クラスの加湿量(加湿運転:設定温度「連続」、風量「5」時。):ダイキン公式より
能力 | 加湿量(100%) | 加湿量(80%) |
9.0kWクラス | 850ml/h | 680ml/h |
4.0kW~8.0kW(200V) | 750ml/h | 600ml/h |
4.0kW(100V) | 600ml/h | 480ml/h |
3.6kWクラス | 550ml/h | 440ml/h |
2.8kWクラス | 500ml/h | 400ml/h |
2.2kW・2.5kWクラス | 450ml/h | 360ml/h |
加湿器の適切床面積
定格加湿能力 | 木造和室 | プレハブ洋室 |
300mL/h | 5畳 | 8畳 |
400mL/h | 7畳 | 11畳 |
500mL/h | 8.5畳 | 14畳 |
600mL/h | 10畳 | 17畳 |
700mL/h | 12畳 | 19畳 |
800mL/h | 13.5畳 | 22畳 |
900mL/h | 15畳 | 25畳 |
1000mL/h | 17畳 | 28畳 |
日本電機工業会(JEMA)(2)より抜粋
加湿量100%を見込んでエアコンを選ぶと加湿機能としては少し能力不足となります。
加湿量80%の数値も冬の2019年湿度平均値なので、冬で湿度30%前後となると能力は更に下がり60%程度の加湿となります。
しっかり加湿したい方は追加の加湿器を使うことをおすすめします。
エアコン入れ替え困難な場合も
加湿用ホースを追加する必要があるので、配管用に開けている穴サイズが小さい場合そのままでは取り付け出来ません。
一応既存壁面穴にギリギリ通る用になっている設定ですが、壁面穴にキッチリ合わせないと入らない寸法になっています。
困難な工事になりますので技術力の無い作業員さんだと、出来ないと言われる場合があります。
まとめ
スペック通りの働きを期待するのはやめましょう。
メンテナンスいらずで、そこそこ加湿できれば満足という方にはおすすめのエアコンです。
電気代や加湿量が気になる場合は加湿器を用意してあげましょう。
パナソニックエアコンは加湿空気清浄機と連動できるモデルもあります。
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